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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

せめてそんなものが一幅でもあったらと思った。けれどもそれは自分の呼吸する空気の届くうちには、落ちていないものと諦めていた。

「買手にも因るだろうが、売手にも因るんだよ。いくら名画だって、おれが持っていた分にはとうていそう高く売れっこはないさ。しかし七円や八円てえな、余り安いようだね」

宗助は抱一の屏風を弁護すると共に、道具屋をも弁護するような語気を洩らした。そうしてただ自分だけが弁護に価しないもののように感じた。御米も少し気を腐らした気味で、屏風の話はそれなりにした。

翌日宗助は役所へ出て、同僚の誰彼にこの話をした。すると皆申し合せたように、それは価じゃないと云った。けれども誰も自分が周旋して、相当の価に売払ってやろうと云うものはなかった。またどう云う筋を通れば、馬鹿な目に逢わないで済むという手続を教えてくれるものもなかった。宗助はやっぱり横町の道具屋に屏風を売るよりほかに仕方がなかった。それでなければ元の通り、邪魔でも何でも座敷へ立てておくよりほかに仕方がなかった。彼は元の通りそれを座敷へ立てておいた。すると道具屋が来て、あの屏風を十五円に売ってくれと云い出した。