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ゆきのとう

雪の塔

海若 藍平

「九州日報」1923(大正12)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,032 字 · 10 页

青空文庫

第二の室は赤い光りで照らされています。第三は紫、第四は黄色とだんだん上へ上って行って、とうとう真っ白い光りが真昼のように満ち満ちている一番高い大広間に来て、床の上に降されました。

ここまで来るうちに二人ともすっかりあたたまって、着物まで乾いてしまいましたので、二人は床の上に下されると、唯驚いてしまってあたりをキョロキョロ見まわしました。

兄も妹も雪の塔の大きいのに驚きました。四方の壁も天井も床も銀のように輝いていて、大広間の天井や隅々には四季の花が眩い位美しく咲いて、室の真中に天井から吊りさがった青白いランプの光りで照らされています。

ランプのまわりには餅花や羽子板、ゴム鞠、運動具、おもちゃの船、車などが一パイに吊され、どれを見ても欲しくない物は一つもありません。

室の正面には黄金のお太陽様と白金のお月様を祭ってあります。その前には、鉄の冠を戴いて、白い顔に黒い髯を勢よく生やし、紺青の着物を着た立派な冬の男神と、緑色の髪に花の冠を戴いて、桃色の長い着物を着た春の女神とが座わっています。その左右にはお釈迦様、イエス様、七福神、達磨さん、鍾馗大臣、サンタクローズ、桃太郎、金太郎、花咲爺、乙姫様や浦島太郎、熊、鹿、猪や兎なぞいう獣や鳥やお魚や山水天狗、つるまむし、へのへのもへしなぞいうおなじみの連中が四方へずらりと