轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页

青空文庫

しかし、君の神経が閃くたびごとに、その結果が、君の意向とは反対の形で現われてしまう。それは、いったいどうしたってことなんだい」

「ウム、僕にもどうも解せないんだ。まるで、穽の中を歩いているような気がするよ」と法水にも錯乱した様子が見えると、

「僕はその点が両方に通じてやしないかと思うよ。いまの真斎の混乱はどうだ。あれはけっして看過しちゃならん」とこれぞとばかりに、熊城が云った。

「ところがねえ」と法水は苦笑して、「実は、僕の恫訊問には、妙な言だが、一種の生理拷問とでも云うものが伴っている。それがあったので、初めてあんな素晴らしい効果が生れたのだよ。ところで、二世紀アリウス神学派の豪僧フィリレイウスは、こういう談法論を述べている。霊気(呼吸の義)は呼気とともに体外に脱出するものなれば、その空虚を打て――と。また、比喩には隔絶したるものを択べ――と。まさに至言だよ。だから、僕が内惑星軌道半径をミリミクロン的な殺人事件に結び付けたというのも、究極のところは、共通した因数を容易に気づかれたくないからなんだ。そうじゃないか、エディントンの『空間・時・及び引力』でも読んだ日には、その中の数字に、てんで対称的な観念がなくなってしまう。