轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页
つまり、それに合した符号なり照応なりを、徴候的に解釈して、それで心の奥底を知ろうとしました。さて、あのレナウの詩ですが、それを用いて、僕が一種の読心術に成功したのです。と云うのは、心理学上の術語で聯想分析と云って、それを、ライヘルト等の新派法心理者達は、予審判事の訊問中にも用いよ――と勧告しているのです。何故なら、ここに次のような、ミュンスターベルヒの心理実験があるからで……。最初喧騒(Tumult)と書いた紙を被験者に示して、その直後、鉄路(Railroad)と耳元で囁くと、その紙片の文字のことを、被験者は隧道と答えたと云うのですよ。つまり、吾々の聯想中に、他から有機的な力が働くと、そこに一種の錯覚が起らねばならないからです。けれども僕は、それに独自の解釈を加えて、その公式――つまり、Tumult + Railroad = Tunnel を逆に応用して、まず1を相手の心像とし、その未知数を2と3とで描破しようと企てたのでした。そこでまず、そこにあるは薔薇なり――と云った後で、貴方の述べる一句一句を検討してみました。すると、貴方は僕の顔色を窺うような態度になって、では薔薇乳香を焚いたのでは――と云われましたね。