轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页

青空文庫

そうして、犯人の冷酷な意志は、山雀の屍骸と父よ、吾も人の子なり――の一文にとどめられるのであるから、当然、久我鎮子が、道徳の最も頽廃した形式と、叫んだのも無理ではないかもしれない。いわゆる黒死館殺人事件と呼ばれて、酷烈酸鼻をきわめた流血の歴史よりかも、すでにそれ以前行われていて、しかも眼のあたり、遺骸の形状にもそれと頷かれる恐怖悲劇の方が、胸を塞いでくる強い何物かを持っていたのは事実だった。それから、スリッパの跡の調査を始めたが、それは聖窟の階段を上りきった頭上の扉口――すなわち墓地の棺龕まで続いている。しかし、ここまで来ると、ようやくその前後が明らかになって、犯人がダンネベルグ夫人の室から坑道に入り、それから棺龕の蓋を開けて、裏庭の地上に出たのを知ることが出来た。またそれ以外にも、埃に埋もれかかった足跡らしいものが散在していて、既からあの明けずの間に、異様な潜入者のあったことは疑うべくもなかった。調査が終ると、三人は愴惶に石棺の蓋を閉じて、この圧し狂わさんばかりの、鬼気から遁れていった。そして、道々法水は、幾つかの発見を綜合整理して、それを、鎖の輪のように繋げていった。