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くろネクタイぐみのましゅ
黒襟飾組の魔手
山本 周五郎
「少年少女譚海」1930(昭和5)年8月別冊読本
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,299 字 · 27 页
咄! 朱色の脅迫状
少年はそういうと、黒い封筒の書面を倉持教師にわたして、さっさと立去った。
と練習がすんで、全身汗みずくになった龍介が、皆と連立ってベンチの方へかえってきたので、倉持教師がスタンドを下りてきて声をかけた。
「やあ、諸君御苦労さん……ところで春田君、いま君にこの手紙を届けてきた者があるよ」
「そうですか、どうも有難うございます」
受取ってみると黒い封筒、なんだか妙に忌わしいような気持がする。開けて見ると白い紙へ朱色のインクでこう書いてあった。
少年名探偵春田龍介君足下。我等は貴君に警告す、我等は来る八月十八日深夜二時を期して、貴君の伯父若林子爵家の所蔵する黄色金剛石の頸飾を奪いとるべし。貴君にもしその志あらば、我等は頸飾を中心に一騎討を試みるべし。
黒襟飾組主領
「なーんだ、馬鹿馬鹿しい」
春田龍介はそういって、怪しの手紙を無雑作にポケットへ捻こむと、皆に挨拶して大股にグラウンドを立去った。
咄! 朱色の脅迫状
龍介が家へ帰ってみると、伯父に当る若林子爵家から、ぜひこっちへくるようにと電話がかかって来ていた。もしやと思ったので、龍介は自動車で出掛けた。
伯父の若林子爵は、書斎で龍介のくるのを待構えていた。