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くろネクタイぐみのましゅ
黒襟飾組の魔手
山本 周五郎
「少年少女譚海」1930(昭和5)年8月別冊読本
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,299 字 · 27 页
黒ソフトの私立探偵
「それは分かっているさ。俺の親戚に龍介のいること、そして龍介がサルビヤ号の事件であんな大手柄を立てたことを知っているからなんだ。それでお前を子供扱いに馬鹿にして、からかってきたのさ」
「よし※」龍介はしばらく考えた後決心したように叫んだ「よし、やってやろう、黒襟飾組が勝つか、少年春田龍介が勝つか、一騎討だ※」
そういったとたん、ふと気がつくと庭に面した窓の外で、今まで中の容子をうかがっていたらしい、龍介と同年位の混血児少年が、さっと身を翻して走り去るところだった。
黒ソフトの私立探偵
時計が四時を打つと、書生が一枚の名刺を取次いできた。それは顧問弁護士の紹介状を持って、私立探偵桂河半十郎が訪ねてきたのだ。
書生に導かれて桂河探偵が入ってきた。大きな男で白麻の夏服に、黒の中折をかむり、大きな色眼鏡をかけている。顔色は日に焦けて黒く、髭を生やしている。ちょっと鼻にかかった声で、大変にのろくさく話した。
「じゃあ伯父さん、僕はまた明日伺います」龍介はなにを思出したか、そういうと共に大急ぎで書斎をとび出した。
「さあ、急がしくなってきたぞ!」
そういって龍介は、廊下へ出ると共に、ポケットから名刺を取り出した。