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あたまでっかち
あたまでっかち
下村 千秋
「赤い鳥」1935(昭和10)年2~4月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,773 字 · 36 页
二
」
といっていました。林太郎はことし十一才で、小学校の五年生になっていましたが、弟も妹もなく、まったくの一粒っ子なのでした。あとは、おとうさんとおかあさんとおじいさんの三人きりでしたから、がらんとした広い暗い家の中にいると、人はどこにいるかわからないほどで、まったく陰気だったのです。
二
さて、ひとりっ子というものは、わがままっ子のきかんぼうが育つものですが、林太郎はどっちかといえば、いくじなしの泣き虫子にそだちました。おじいさんがかわいがりすぎたせいだ、とおとうさんはよくいいましたが、そうばかりではなく、あんまり陰気な家の中にそだったためかもしれません。とにかく林太郎は、ちょっとしたことにもすぐめそめそとなきだすのでした。
それにもうひとつ困ったことは林太郎はからだのわりに頭でっかちで、それで口の悪い村の子どもらから、「ごろっこ」というあだ名をつけられていることでした。「ごろっこ」とはかわずの子という意味で、あの頭でっかちの「おたまじゃくし」のことです。村の子どもらは、なにかというと、
「やあい、ごろっこめ。」
とはやしたてるのです。すると林太郎は、すぐべそ口になり、くやしそうになきだすのでした。