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あたまでっかち
あたまでっかち
下村 千秋
「赤い鳥」1935(昭和10)年2~4月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,773 字 · 36 页
四
林太郎には、自分が考えていることがほんとうなのか、おきぬねえちゃんのいったことがほんとうなのか、わからなくなったのでした。
四
それから三日ほどした朝のことでした。おとうさんは野らへ仕事にでかけ、おじいさんは湖の岸へ、「のっこみぶな」というのをつりにでかけたあとで、おっかさんはひとりでよそいきの着物にきかえ、ふろしきづつみ一つをもって、
「林太郎、おっかさんはむこうの家へいってくるから、おとなしく待っといで。」
と下をむいたままいいました。
むこうの家というのは、おっかさんのお里のことでした。林太郎の家の裏手の丘から北の方を見ると、霞ガ浦が入江になっていて、そのむこうに一つの村があり、その村におっかさんのお里があるので、それで「むこうの家」といっているのでした。
おかあさんはいままでその「むこうの家」へかえるときは、かならず林太郎をつれていきました。だのにきょうにかぎってそんなことをいいだしたものですから、林太郎の顔色はみるみる変わりました。
「おれもいくよ、おれもいくよ。」
林太郎はおかあさんの手にぶらさがってそういいました。
「きょうはつれていけないの。