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あたまでっかち

あたまでっかち

下村 千秋

「赤い鳥」1935(昭和10)年2~4月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,773 字 · 36 页

青空文庫

七

むく犬は、もうにげようとはしませんが、でっかち頭をくるくるまわしたりして、おどけるようなまねをしながらも、なかなかそばへよってきませんでした。

「おまえの名はなんちゅうんだい? 名なしの犬ころかい? 白いからしろだろう。そうだ、おれが名をつけてやるよ。しろ公とつけてやるよ。……しろ公や、こっちへこいよ。おれのでしにしてやるよ。でしでいやなら、弟にしてやるよ。」

しろ公はにこっと笑ったように林太郎には見えました。それから前足をちょいとあげて、ぼく、うれしいな、というようなようすもしました。が、それでも、そばへはよってきません。

と、母屋のお庭からおっかさんが、

「林太郎や、おひるだよお……」

とよびました。林太郎は残念そうにその場をひきあげました。

七

林太郎は、いろりのある台所で、おばあさんとおっかさんのあいだにすわって、おひるのごはんをたべていました。すると、さっきのしろ公が、いつのまにかそこの土間へきていて、みんながごはんをたべているのを、さもうらやましそうに、しっぽをふりながら見上げていました。林太郎はびっくりしてよろこび、

「やあ、しろ公だ、しろ公だ。