轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いわゆる「はんせい」はわれわれをすくうか

いわゆる「反省」は我々を救うか

岸田 国士

「知識人 第二巻第一号」1949(昭和24)年1月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,229 字 · 15 页

青空文庫

がその行為の上に蔽いかぶさるからである。「反省」をむきだしにする悪趣味を、われわれはいつの間にか身につけたというよりほかはない。

「卑下」の感情は、もちろん、被圧迫階級の持ち前であるとされる。しかし、われわれ日本人の場合は、さういう社会的な原因もないとは云えないが、それよりも、やはり、三百年来の道徳教育が、民衆の日常生活のなかへ、一つの簡易な作法の形式としてこれを植えつけたのである。

その証拠に、われわれ日本人の「卑下」は、必ずしもつねに強者に向つて示されるとは云えない。いわゆる「目上」に対する必要以上の卑下は別として、われわれは、なんでもないときに、口癖のように、「卑下」を意味する表現を使うことは周知のとおりである。ところがそれとはまた違つた意味で、われわれは互に、神経質な「反省的辞令」を交換する場合が多い。そして、こういう場合こそ、われわれは、どうにもならぬ自尊心のふくらみに身をまかせ、最も自尊心の安否を気にかけているときである。即ち、かゝる「卑下」こそ、病的で横暴な自尊心を満足させる唯一の逃げ道なのである。「先き廻り」であり、「予防線」である。