轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おかよ

おかよ

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館、1942(昭和17)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,116 字 · 19 页

青空文庫

よくわかります、そうするのが本当だと思いますわ」

「ははははは」年嵩の女はけらけらと笑った、「まるであんたは自分のことのように云っているよ、本当のところ、その娘というのはおかよさんじゃないのかえ」

「まあ……いやなお松さん」若い女は頬を染めながらうち消した、「あたしがその娘なら、ええお松さんの云うように、その方の奥さまになっていたかもしれませんよ」

「あたしはそれが本当だと思うね」年嵩の女はそう云って、そばに置いてあった三味線をひき寄せて、爪弾きで調子を合せながら歎息するように云った、「でも、そのお侍さまは、いま頃きっとその娘を捜しておいでになるわ、そうとも、それだけの娘の心意気が忘れられるものかね」

「そうかしら、捜しているかしら」

「あたしはそう思うわね、そして、いまにきっと二人はめぐり会って……」

若い娘はふと往来のほうへ眼をやった。そのまなざしはどこかに人の来るのを待っているような色があった。

※(歌記号、1-3-28)……花は咲けども

年嵩の女が、こんな場所には惜しいほど、さびのある澄んだ声でうたいだした。それは、もうすっかりすたっている隆達節であった。