轻松读懂日语经典作品
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
「朝日新聞日曜版」 1967(昭和42)年1月8日~2月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,042 字 · 71 页
第一次大戦のとき、これで戦争は終ったといわれた。第二次大戦のあとでも同じことがいわれたし、二回の大戦争による破壊と大量殺人にもかかわらず、廃墟と化した瓦礫の中から、まえよりも堅固で立派な都市が建ち、人間の数もはるかに多くなった、未開発国が開発され、植民地は次つぎに独立した、戦前よりはるかに繁栄し始めているが、片方ではもう幾つかの大国が原子爆弾の強化を進めている、破壊と大量殺人の準備だ。人間の本性にはいろいろの悪があるけれども、同時に悔恨や慈悲、反省や自制心もある。にもかかわらず、破壊と大量殺人が繰返されるのは、人間の意志が、なにか説明することのできない未知のちからに支配されている、と考えるほかはないのではないか。
「あなたがいかなる神々かは知らないが」彼は眼にかかる粉雪を払いながら呟いた、「もしもあなたにとって私が必要なら、私を生かし、私のやりたい事にちからをかして下さい、しかしもしも私が必要でなかったら、どうぞあなたの思うままに」
「お兄さんなにをぶつぶつ云ってんの」
突然、脇のほうから呼びかけられ、松山隆二は吃驚して振り向いた。古い風呂敷で頭をネッカチーフのように包み、小さなリュックサックを背負い、もんぺに雪沓をはいている、りつ子であった。