轻松读懂日语经典作品
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おれのにょうぼう
おれの女房
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1949(昭和24)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,296 字 · 46 页
「それは考えていたんです、六曲一双へ墨だけで、やってみたいとは思うんですが、なにしろ御承知のような暮しですから」
「いや平野さんにもしその気があるなら」
加平はこう云って坐りなおした。
「本当にやってみる気があるなら、場所は私の小梅の寮をお貸ししましょう、材料なんかもお気にいる物を揃えましょう、失礼ながら描きあがるまでの雑用もひき受けましょう、ひとつ思いきってやってみて頂こうじゃありませんか」
「――有難うございます、お世話になりどおしで、このうえまたそんな御厄介を」
「いや実はちょっと私のほうにもわけがあるんです、今は詳しいことは云えませんが、さる義理のある方から平野さんに屏風をと、まえっから頼まれていたんです、貴方がその気になって呉れれば、私はよろこんでお役に立ちたいところですよ」
「――よくわかります、本当に有難いと思いますし、ぜひやりたいんですが」
その気持は充分にあるが、いちおう帰って、悠くり案を練ってみて、大丈夫という自信がついてから返辞がしたい、それまで五六日待って呉れるように、又五郎は大事をとってこう答えた。――そこで加平は妻女を起し、酒のしたくをさせて、隣りに寝床がとってあるから、一杯やって泊ってゆけと云った。