轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页
「何方も先生さ。生徒なら差詰め退学処分だね」
「否、何方の先生が見惚れたと言うのさ?」
「それは無論男の方が女の方に見惚れたのさ。女が男に見惚れてしまってゝパッタリと扇子を落す拍子に木の入るのは遺憾ながら芝居の舞台だけだよ」
「何だって? 見惚れているところを写真に撮られたって?」
と団さんが寄って来た。
「否、安心し給え。君のあの話じゃないよ。しかし君は根上君は知らないね。ところで側にいた校長がそれと察して、『お気に召しましたかな? 何なら媒妁の労を取りましょうか?』と冗談を言ったそうだ。すると根上君は何処までも真剣で、『何うぞお願い致します。私の家は今は東京で商売をやっていますが、先祖は代々近江にいて、清和源氏の末裔でございます』とかと、系図まで曝け出して血相を変えていた。斯ういうところは如何にも天真爛漫で、俳人気質丸出しだね。あの人の句に、『蝸牛や清和源氏が鼻の下』というのがあるが、恐らくこの時の感想を現したものだろう。細君を貰ったり、句を読んだり、根上君もこゝでは大分活動したらしい」
「何ういう意味だろう? その鼻の下というのは」
と三輪さんが解釈に苦しんだ。