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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页

青空文庫

「見給え。この大雨に晴れとあるんだからね。田舎の測候所は全く信拠にならないよ」

と先ず団さんが貶し始めた。

「東京の気象台だって中らない方が多いよ。而も的中率は世界の何処のにも遜色がないと言って力んでいるから好い気なものさ。天気予報そのものが未だ成っていないんだね」

とお父さんが相槌を打った。

「僕は早晩養子を貰うんだけれど、気象台へ勤めている人の子丈けは御免蒙ることにしている」

と三輪さんも悪意を表明した。

「何故さ?」

とお父さんが訊くと、

「何しろ嘘は親からして吐き放題だからね。家庭教育も何もあったもんじゃなかろうと思うよ」

「然うとも/\。こんな大雨の日に晴れると言えば嘘に相違ない。その嘘も官費で吐く。僕達も嘘を吐かないことはないが、私費で吐くんだから、他人に迷惑をかけない。官費で嘘を吐く商売は気象台丈けだろうね? 早い話が嘘は泥棒の始まり、親からして毎日人を瞞していたんじゃ迚も善い子は出来ない」

と団さんが言えば、お父さんも、

「官費で而も社会の木鐸を利用して天下国家を欺く。仕掛けが大きいや。僕は寧ろ羨ましいくらいだよ」

「親がその通りじゃ子供に向って、『お前方は嘘を吐いちゃいけない』