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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页

青空文庫

とはよもや言えまい。『それなら伺いますが、お父さん、今日の予報は何うしたものでございますか?』と反問されゝばグウの音も出ないからね」

と三輪さんもナカ/\やる。

「夫婦間の愛情も怪しいもんだぜ。七生までも変らないという口の下から空模様が変って来るんだから、細君も危い話さ。青天の霹靂、『さあ、出て行け!』と突き出されても、石垣島の低気圧が俄然方向を変えたんだと言われゝばそれ迄だからね。これは好いことを聞いたよ。僕も最早ソロ/\娘を嫁にやるんだが、気象台関係者丈けは原則として御免蒙ることにしよう。田鶴子、お前も承知だろうね?」

と団さんが笑った。

「私は何処へも行きませんわ」

と田鶴子さんは真に受けた。女の子は大抵こんなことを言う。

さて、今日は昨日に引き換えた日本晴、一同の御機嫌も三国一だった。現金なものだ。朝御飯中団さんは長崎日日新聞というのを翻しながら、

「晴れとある。感心に今日のは中っているよ」

と言った。

「豪いね。昨夜此処へ着いた時の塩梅じゃ迚も晴れる見込はなかったが、矢っ張り餅は餅屋さ」

とお父さんが敬意を表した。

「天気にさえなれば予報なんか何うでも宜いよ」