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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页
「そんな筈は、ないんですが――」
「ふむ。判りました。その通りでしょう。第一この穴は、こんなに新しいんですからね……」
喬介はそれなり深い思索に陥って行った。
間もなく、W駅の本屋の方から一人の駅手が飛んで来て、H機関庫から首実検の連中が到着したとの報告を齎した。すると司法主任は急に元気附いて、警官の一人にこの場の屍体を見張っている様命ずると、先に立って歩き始めた。私達もその後に従った。
やがて私達が、給水タンク下の最初の現場へ戻り着いた時には、運搬用の気動車でやって来たらしい三名の機関庫員は、既に屍体の検証を済して、一服している処だった。が、その内の主任らしい男が、肥った体をヨチヨチやらして私達より一足遅くやって来た助役の顔を見ると、早速立上って、
「――飛んだ事でした。被害者は確かに73号の機関助手で土屋良平と云う男です」
「いや、どうも。ところで、機関手の名前は?」
「機関手――ですか? ええ。井上順三と言いますが」
「ふむ。そいつも殺されておりますぞ!」
助役の言葉で、機関庫主任も駅長も明かに蒼くなった。そして一名の機関庫員は、飛ぶ様にして第二の屍体の検証に向った。