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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页

青空文庫

が、やがてどうしたことか急に階段を降りて来ると、別荘番の戸田を大声で呼びつけた。そして頻に首を傾しげながら、

「……妙だ……」

「……妙だ……」

と呟きはじめた。

が、やがて安吉老人がやって来ると、幾分顫えを帯びた声で、

「おい君、変なことを訊くがね……二階の東室の窓から、三十間程向うに、一寸した木立が見えるだろう?」

「はい」

と安吉老人は恐る恐る答えた。

すると、

「あの木立は、今日、他所の木と植替えたのかね?」

「そ、そんな馬鹿な筈はありません。第一、旦那様」と安吉は目を瞠りながら「あれだけのものを植替えるなんて、とても一日や二日で出来ることではありません」

「ふうム……妙だ」

「ど、どうかいたしましたか? 木でもなくなったんですか?」

「違う……いや確かに妙だ。……時に金剛さんは何処にいる?」

「只今、お風呂でございます」

「そうか」

大月はそのまま二階へ上ってしまった。

四

その翌日は珍しく上天気だった。

司法主任を先頭にして数名の警官達がこれでもう何度目かの兇器の捜査にやって来た。

大月にまでも援助を申出た彼等は、二階の洋服箪笥の隅から階下の台所の流しの下まで、所謂警察式捜査法でバタリピシャリと虱潰しにやり始めた。