轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页
死の快走船
一
一
太い引きずるような波鳴りの聞えるうらさびた田舎道を、小一時間も馬を進ませつづけていた私達の前方には、とうとう岬の、キャプテン深谷邸が見えはじめた。
藍碧の海をへだてて長く突出した緑色の岬の端には、眼の醒めるような一群の白堊館が、折からの日差しに明々と映えあがる。向って左の方に、ひときわ高くあたかも船橋のような屋上露台を構えたのが主館であろう。進むにつれて同じように白い小さな船室風の小屋が見えはじめ、小屋の傍らにはこれも又白く塗られた細長い柱が、海近く青い空の中へくっきりと聳えだした。邸の周囲には一本の樹木もなく、ただ美しい緑色の雑草が、肌目のよい天鵞絨のようにむっちりと敷き詰って、それが又玩具のような白い家々に快い夢のような調和を投げかける。が私達が岬へ近づくに従って、それは雑草ではなく極めてよく手入れの行き届いた見事な芝生であることが判って来た。
深谷邸の主人と云うのは、なんでも十年ほど前まで某商船会社で、欧洲航路の優秀船の船長を勤めていたと云い、相当な蓄財もあるらしく退職後はこうして人里はなれた美しい海岸に邸を構えて、どちらかと云えば隠遁的な静かな生活をしていた謂わば隠居船長なのであるが、永い間の海の暮しが身について忘れかねたのか、まるで大海の中のような或は絶海の孤島のような荒れ果てたこの地方の