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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页

青空文庫

そして人の好いあくまで親切な「オサ泉」は、粗末ながらも新調の花環を操縦室の天井へブラ下げて、再び仕事に就き始めました。

すると、それから数日を経た或る朝、やはりH駅へ午前五時三十分着のD50・444号の車輪に、再び新しい黒豚のミソがくっ着いて来たんです。調査の結果、轢死地点は前回と同じB駅に程近いカーブの上り線路上である事が判りました。不思議と言えば不思議ですが、偶然――と言ってしまえばそれまでです。で、「オサ泉」も助手の杉本も、四十九日どころかまだ初七日にしかならない前の黒豚の花環の横ッちょへ、もうひとつの新しい奴を並べなければならなかったんです。

ところが、学生さん。

故意か、偶然か、又しても数日後の或る朝、同じD50・444号の車輪に、今度はさだめし柔かそうな白豚のミソがくっ着いて来たんです。助手の杉本は、早速鼻の下の煤を拭き取りました。まさに三度目です。時刻も場所も前二回と全く同じです。機関庫主任の岩瀬さんはとうとうB町の巡査派出所へワタリをつけました。

派出所の安藤巡査からの報告に依りますと、三匹の豚は、やはりB町附近のそれぞれ別々の所有者から、それぞれの時日に盗まれたものである事が判りました。