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はたしじょう

はたし状

山本 周五郎

「週刊朝日 新年増刊」朝日新聞社、1951(昭和26)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,525 字 · 39 页

青空文庫

二人の上へ頻りに落葉が散りかかり、道の上で渦を巻いたりした。

「第さんはもうおれを信じなくなっているらしいが」

暫くしてうしろから英之助がそういった。

「おれは今でも第さんを親友だと思っている、第さんとの結婚を破るについて、しのがどんなに苦しんだか、おれの立場がどんなものだったか話しても信じないだろうし、話したくもない、だが、……一人の女のために二十年の友情が、こんなに脆く毀れていいだろうか」

「ときによれば、血を分けた兄弟でも殺しあうことがある」

第二は冷笑するように云って、肩に止った落葉を手荒く払った。英之助はまた暫く沈黙した。それから調子の変った声で云った。

「忠告することがあるんだ、いやな噂がとんでいる、勤めはきちんとしたまえ、定日のほかに休むのはよしたまえ……それからもう一つ、千久馬とはあまり往来しないほうがいい」

第二は足を停めて振返った。

「それは先手組支配としての忠告か」

英芝助は鋭い眼でこちらを見つめ、手綱で馬をひき寄せながら云った。

「――友達としてだ」

そして馬へ乗って駆け去った。その姿が丘を越えるまで見送ってから、第二は道を伊※(「田+比」