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ふたりのおばさん
ふたりのおばさん
室生 犀星
「銀河 第三卷・第一号 一月号」新潮社、1948(昭和23)年1月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,817 字 · 10 页
リョウヘイはそこでおばさん、またころんでしまったというと、おばさんはよくころぶ子だね、といった。
「コタツにヒザのところを入れて乾かすんです。乾いたらもんであげるからころんだことがおかあさんにはわかるまい。」
おばさんはしばらくたってから、ぴったりと泥水の乾いたところを縁がわに持っていって、もんでくれるのである。泥なんかしらべて見ても、わからなかった。リョウヘイは母親からこごとを食うことがなくなったので、おばさんありがとうといった。
リョウヘイは冬は何もなかったが、夏は庭が広いので、アンズとか青いウメとかビワとかを、母にかくれてもいでいって、おばさんにやっていたが、そんなことをするのがはずかしいので、茶の間の茶ダナの上におくと、おいたとも、あげますともいわないで、だまってかえっていた。おばさんもだまっておじさんと一しょにたべていた。
「大きくなったらおばさんに何をしてあげようかな。」
リョウヘイはきげんのよい時に、そんなことを本気になっていっても、おばさんは取りあわなかった。
「あんたが大きくなったって、こちらが生きていられないからだめですよ。」
「そんなことはない。