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まほうやしき
まほうやしき
江戸川 乱歩
「たのしい三年生」講談社、1957(昭和32)年1月号~3月号
N4 · 入门 · 新字新假名 · 5,541 字 · 11 页
三人は、「わっ」といって、さっきのドアにとびつきましたが、いつのまにかぴったりしまって開きません。しかたがないので、へやのすみに、うずくまってしまいました。
「ウォーッ」ライオンが、おそろしい声でうなりました。そして、のっしのっしと、こちらへ近づいてきます。
「ウォーッ」また一声うなって、ライオンが、ぐゎっとまっかな口を開きました。三人は、あたまからくわれてしまうのではないでしょうか。
「わはははは……」
ふしぎ、ふしぎ。そのときライオンが、にんげんの声でわらいだしたのです。
「おまえたち、ここはまほうやしきだよ。だから、どんなふしぎなことでも起るのだ。さあ、見るがいい」
ライオンがぴょんととび上がってくるっとひっくりかえりました。
すると、ライオンのはらがまっ二つにわれて、そこから、さっきのせいようあくまの黒いすがたが、あらわれたではありませんか。にんげんが、ライオンの皮をかぶっていたのです。
「わははは……。どうだね。まだまだきみたちのびっくりするようなことが起るのだよ」
それから、せいようあくまは三人を二かいの一室にとじこめてしまいました。大きなベッドが一つおいてあって、三人にそこでねむれというのです。