轻松读懂日语经典作品
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めおとちょう
めおと蝶
山本 周五郎
「講談倶楽部 春の臨時増刊号」大日本雄弁会講談社、1950(昭和25)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,977 字 · 47 页
「――巽門で捉まったのは囮です、わざと三人で追手をひきつけ、その隙にわれわれが逃げたのですが、梶、大炊、岩光、そのなかで二人捉まったとすると、誰が脱出できたかわからないし、一人ではいつまで待ってもいられないでしょう」
「どこかで待合せるお約束ですのね」
「青井川の下流の蒔山という船着です、もう十日以上になりますから」
そこで思案したのだがと、知也は自分の計画を語った。それは雨か雪の日に、妹に供を伴れて来させる、下僕の着物と雨具をひと揃え持って来て貰い、知也がそれを着て、供の者が実家へなにか取りにゆく態でぬけ出す。文代は日の昏れるまでいて、夕方のごたごたしたときに帰る、というのであった。
「――いろいろ案を立ててみたんですが、これよりほかに手段はなさそうです、文代さんと御相談のうえ、御迷惑でしょうがぜひそう手配をして下さい」
「わかりました、では妹を呼びまして」
信乃は頷いて立った。聞いているうちにそれがいちばん良い方法だと思ったのである、それですぐに妹へ使いをやった。
文代の驚きは非常なものであった。それから手を拍ち合せて声をあげ、例のてんじょうを向いている鼻を反らせ、昂奮のあまり頬を赤くして、居ても立ってもいられないというふうにはしゃいだ。