轻松读懂日语经典作品
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めおとちょう
めおと蝶
山本 周五郎
「講談倶楽部 春の臨時増刊号」大日本雄弁会講談社、1950(昭和25)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,977 字 · 47 页
二
「梶さま岩光さま大炊さまなど六人いっしょに、ひと月ばかりまえにお召出しになって、そのままお城の牢にいれられておしまいなすったんですって、ご存じなかったんですか」
「――いいえ、ちっとも……」
信乃は体の震えてくるのをけんめいに抑えながら、とつぜんきっとした気持になり、いくらか蒼くなった顔をあげて妹を見た。
「でも文代さん、あなたはどうしてそんなことをわたくしに仰しゃるの、西原さんのことなんてわたくしに関わりがないじゃないの」
「――ええ、べつに関わりありませんわ」
歪んだ微笑をして文代は頷いた。
「――そんなつもりで云ったんじゃないんです、わたくしたち古くから親しくしていたし、あんまり思いがけない事になったので、……お姉さまはご存じかと思っておききしただけなんです」
「わたくしなんにも知りません、それに御政治むきの事なんて、知りたいとも思いませんわ」
文代はじっと姉を見あげた。それからくいと顔をそむけ、片手で眼の上を掩うようにしながら、低い声でそっと囁いた。
「――お可哀そうなお姉さま」
二
それから六七日のあいだ、信乃はおちつかない悩ましい日を送った。知也がどうして城中の牢へいれられたか、その理由だけでも知りたかった。