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ものぐさなきつね
ものぐさなきつね
小川 未明
「読売新聞」1922(大正11)年1月23~25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,248 字 · 5 页
「この寒いのに、どこへゆくのですか?」と、星はたずねました。
「山に食べるものがなかったから、里へいって鶏でも捕ってこようと思うのだ。」と、きつねはめんどうくさそうにいいました。
星は、びっくりしました。しかし、きつねは、なかなか年をとっていて狡猾でありましたから、星はちょっとだますことはできないと思いました。
「今夜あたり、狩人が寝ずに番をしているかもしれない。」と、星はささやきました。
きつねは、これを聞いてせせら笑いをしました。
「なんで狩人が、鶏の番などをしているものか。」といいました。
「おまえさんは、鶏小舎の在り場を知っているのですか。」と、星はきつねに問いました。
「なに、村の中をうろついてみればすぐわかることだ。」と、きつねは答えました。
星は、目もとに笑いをたたえて、
「そんなことをして、うろついていると、狩人に撃たれてしまいますよ。それよりここに、もうしばらく待っておいでなさい。やがて鶏が鳴く時分です。そうしたら、じきにその小舎を見つけることができます。辛棒が肝心です。」と、星は諭すようにいいました。
「そうしようか。」と、ものぐさなきつねは村の方を見て、そうすることにしました。