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わがせいしんのしゅうい
わが精神の周囲
「群像 第四巻第一〇号」1949(昭和24)年10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,670 字 · 32 页
そういうシツコサが鼻持ちならなくなったのである。旅先の徒然に、手ごろな慰みだと思っていたが、慰みで終るような軽快なところがなかったのである。
いつか、尾崎士郎の家で、来合せた人が、「それは士郎さん、ふとるんだったら温灸に限る。けど、こいつは病的なふとりでね」
「そうかね。ほんとに、ふとるかね」
「テキメンにふとる。けど、病的だから、これは止した方がよい」
「ふとるんだったら、病的だろうと、なんだって、ふとりたいね」
と、尾崎士郎は執拗にふとりたがっていたものである。その日のことを思いだしたから、一週間に四キロふとったのは温灸のせいだろうか、と私は考えたのである。
伊東へ来て、一週間。七日のうちに、色々なことを、めまぐるしく、やった。しかし、どれとして、ふとるようなことはしていない。即席の効能としては、痩せる性質のことが主であった。
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私は伊東へ来るようになったソモソモのことを明確には心得ていないのである。数日のことが、明確には、思いだせないのである。私は又、催眠薬をのむようになっていたのかも知れない。
覚えているのは、伊東行きのきまった前夜、蒲田の南雲さん(井伏鱒二の「本日休診」