轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

イエスでん

イエス伝

矢内原 忠雄

マルコ伝による

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 220,119 字 · 436 页

青空文庫

ヘロデ王はイエスのことを聞いて、これは自分が首斬ったヨハネの再来だと思って怖れました。彼にも良心の呵責がいくらかあったのです。しかし彼にあっては恐怖心よりも好奇心の方が強くありました。彼はイエスを見たいものだと求めました(ルカ九の九参照)。ヘロデの良心はこの程度にすぎなかった。彼は洗礼者ヨハネに対したと同様の態度をもって、イエスに対そうとしたのです。本当に「政治家」的な浅薄さです。

これをダビデ王の場合と比較してごらんなさい。ダビデにもヘロデと共通な人間的弱点がありました。彼は勝れたる信仰と正義感とをもちながら、自己の部下ウリヤからその妻バテシバを奪い、それに関連してウリヤを殺したのです。一方ヘロデ王にもまた、ただ淫乱残虐の性格だけではなく、ヨハネを義にして聖なる人として貴ぶだけの良心はあったのでありますから、ヘロデ王とダビデ王とは紙一枚の差にすぎません。それにもかかわらずダビデは信仰の典型としてイエス・キリストの祖と仰がれるに反し、ヘロデは不信仰の代表としてイエスから「狐」と軽蔑せられたのは(ルカ一三の三二)、何によるのであろうか。それは、ダビデは砕けたるたましいであり、ヘロデは砕けざるたましいであったからのことです。