轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
エスキモーのくにから
エスキモーの国から
中谷 宇吉郎
「文藝春秋」文藝春秋新社、1959(昭和34)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 12,797 字 · 26 页
こういう話をきくと、急に心細くなってきた。それで送別会に田中館老先生も出席して下さったので、言葉の通じない人間の洋行の心得をきいてみた。
当時国際会議といえば日本代表はいつも先生ときまっていて、何十回となく外国へ出ておられたからである。
先生は、いつもの磊落な調子で、「そんなこと、君、心得も何もないよ。今ここでこの話が通じなかったら殺されると思えば何でも通ずるよ」と言われた。これはまことに名言であった。
まさにそのとおりであることが、行ってみてよくわかった。
この頃若い日本の科学者が、どんどん外国、といっても主として米国へ招かれて行くが、そういう人たちの中には、英語が喋れないことを、ひどく気にしている人もある。しかしそれは全く見当ちがいの心配であって、先方は何もそういう人たちの英語をあてにしているわけではない。
アメリカでは、乞食でも英語は喋れるのであるから、英語が達者に喋れることは、何も自慢にならない。向うが期待しているのは、その人たちの学問なのである。そしてその方は田中館先生流にやれば、何も心配はいらない。
もっとも英語が通じないと、アメリカの生活が、ひどく殺風景になる。