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カフェー
カフェー
勝本 清一郎
「共同通信社配信 第32〜33回」共同通信社、1964(昭和39)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,355 字 · 7 页
両国橋畔の第一やまと、永代橋ぎわの永代亭、大伝馬町の三州屋、鳥料理都川、小網町のメエゾン・コオノス。西洋料理屋といっても牛なべ屋にちかく、コオノスがいちばんフランスのカフェーの感じだった。
主人に画心があって鴻巣山人とサインした版画をわたしは持つ。五色の酒を作って客に出したのもここの主人だ。この線がやがて銀座のプランタンへいく。プランタンの主人は本職の洋画家だった。しかしパンの会の歴史は結局、フランス系のカフェーを捜して得られなかった歴史である。
なお鴎外のドイツ日記にはまだたくさんカフェーの名がある。中央骨喜堂、ウェル骨喜堂、大陸骨喜店、国民骨喜店、クレップス氏珈琲店、シルレル骨喜店、ヨスチイ骨喜店、骨喜店はカフェーのあて字。
明治十九年二月二十日の条には「伯林には青楼なし。故に珈琲店は娼婦の巣窟と為り、甚しきに至りては十字街頭客を招き色をひさげり」と書き、さらにクレップス氏珈琲店の個所には「美人多し。云ふ売笑婦なりと」ともある。
このクレップスはベルリンのノイエ・ウィルヘルム街にあってもっぱら日本人相手の店だった。鴎外は漢字に訳して蟹屋と書いたこともある。