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ソヴェト・ロシアのすがお
ソヴェト・ロシアの素顔
宮本 百合子
「アサヒグラフ」1931(昭和6)年1月1日、7日、14日、21日、28日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,066 字 · 36 页
ウクライナの木版は非常に独特で、そうして面白いものである。
それからキノも外の芸術と同じように、勿論階級の武器だ。例えば去年の春初めてソヴェトにトーキーが出来た。そのトーキーというものは、私はアメリカのトーキーをベルリンで見たし、またイギリスで見たが、非常に音というものの使い方が慊らない。平凡である。ただ唄わせるためにだけに場面としては必要のない場面を何秒間も続ける。そうかと思うと、物が落ちた場面の中で、実際物が落ちると、それと一緒にガタンと音が聞える。ただ説明だけである。昔の下手な活動の弁士が絵でもって男が二階へ上って行くと、「彼は今二階へ上ったのであります」といったのと同じである。アメリカのトーキーは音を概してそういう風に使っている。ソヴェトのトーキーの面白い点は、音というものを全然そういう風な画面と一緒に行く説明ではない。物を立体的に、その感情を表現するために音を使う。それが非常に面白く使ってある。深みがあり、実感は非常に強い。
レーニンの葬式の画、これは記録として撮って置いたものに音をつけたのだが、レーニンという人間が死んだ時に、世界中のプロレタリアートがどんなに感動したかということを音でよく現している。