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ニューフェイス
ニューフェイス
「小説と読物 第三巻第七号」桜菊書院、1948(昭和23)年7月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,479 字 · 25 页
キサマ、シン公の奴から、なんと指図をうけて来やがった。つゝみ隠さず白状しろ。さもなきゃ、背骨を叩き折ってくれるから、そう思え」
首をつかんでフリ廻しても答えない。アゴに手をかけて、グイと口をあけさせても答えない。もっとも、それでは声がでないワケでもある。
「白状しないか。しぶとい奴だ。このアマめ」
顔をひきよせて睨みつける。女の顔が口惜しさにゆがんだ。突然キリヽと女の顔のひきしまった刹那、千鳥波の手をくゞって、女の肢体がマリのようにはずんだ。
「ウムム」
千鳥波の巨体が虚空をつかんで畳の上へはじかれて、のびている。ミゾオチにストレートをくらったのである。年来の牛飲馬食で、巨体のくせに胃のもろいこと話にならない。小娘の一撃だけでアッサリとノックアウトのていたらくである。
ソプラノ嬢はハヤテの如く襲いかゝって、千鳥波の鼻、口、ホッペタのあたりをつかんで、肉をむしりあげる。それがすむと、アゴを狙ってアッパーカットをポンポンポンと五ツ六ツくらわせる。その構えと云い狙い、速力、その道の習練のほどを示している。
ウムム、アウ、ウウ、と穏やかならぬ物音であるから、三人の旦那がのぞいてみると、これはしたり、ノビているのは巨人の方だ。