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ニューフェイス
ニューフェイス
「小説と読物 第三巻第七号」桜菊書院、1948(昭和23)年7月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,479 字 · 25 页
わかってみれば、罪のないことじゃないか。これは面白い。シャレた趣向でもある。シンちゃんとやらもフザケた御方だ。これを肴にたのしく一夕飲みなさい、というシンちゃんの粋な志であろうさ。そうと分ったら、改めてたのしく飲みましょう」
「それ故に、それを暴力に訴える、それは私の無智だけど、それによって、それは、それ故に、それを、アハハ、シン公のバカ文章に似ていやがら、ウマが合う筈だよ」
はりつめた気がゆるんだせいか、ツウさんが、また、六ツ七ツ、つゞけさまに大物をもらした。首尾一貫した終戦の合図、笑い納めて、飲み直す。
ソプラノ嬢も三人の旦那方の愛想のよいトリナシに機嫌を直して、仏頂ヅラの合間に、今までにない含み笑いなどを浮かべる。けれども訓戒を忘れず、ツウさんのおもらしのたびに、それとなく幽かに皿のふれる音をたてる。ツウさんよりも、自分の方がはじらっている様子である。
旦那方が引あげる。店のすんだのが十一時半をすぎた時間である。
「物騒だから、送ってやるよ。ウチへは黙って出てきたんだろう。ウチの人が心配しているぜ」
店に鍵をかけ、肩をならべて夜道を歩く。千鳥波は女がいじらしく思われて、それが夜道に、キレイに澄んで深かまるのである。