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プロレタリアぶんがくにおけるこくさいてきしゅだいについて
プロレタリア文学における国際的主題について
宮本 百合子
「読売新聞」1931(昭和6)年10月16、17、20~22日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,199 字 · 15 页
そういう見通しなしに、今日の大衆生活の中からのどんな主題も正確に、唯物弁証法的につかむことはできないのだ。
ところである人は、云うかもしれない。今日国際的な関係にあるのは、なにもプロレタリア大衆、プロレタリア作家に限ったことじゃない。ブルジョア文学だって同じことだ、と。
二
なるほど、ブルジョア文学には、投資者、消費者としてのブルジョアのヨーロッパ化した日常生活とともに盛に国際的要素が加わって来た。現に菊池寛が書いている連載小説「勝敗」の中では一回分がフランス化粧料の名、ヨーロッパ画家の名その他で埋められた日があった。
ブルジョア探偵小説の一部としてのスパイ物語は正に国際的舞台を背景としている。中河与一の南洋紀行。吉行エイスケの中国もの。それぞれ、確に日本以外の外国をとり入れ、それを主題としている点では一見国際的であるらしく思える。
では、そういう諸作品が、何を主眼として外国をとり入れているか? 第一に、主題の異国的な目新しさだ。一九三一年の中国の日常風景は確に蒋介石のブルジョア革命の影響、列強植民地政策の行きづまりによって変っただろう。