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ウィタ・セクスアリス
ヰタ・セクスアリス
「昴」1909(明治42)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,941 字 · 119 页
この女達は、皆その子供のように、変な顔をしている。眉はなるたけ高く、甚だしきは髪の生際まで吊るし上げてある。目をなるたけ大きくっている。物を言っても笑っても、鼻から上を動かさないようにしている。どうして言い合せたように、こんな顔をしているだろうと思った。僕には分からなかったが、これは売物の顔であった。これは prostitution の相貌であった。
女はやかましい声で客を呼ぶ「ちいと、旦那」というのが尤多い。「ちょいと」とはっきり聞えるのもあるが、多くは「ちいと」と聞える。「紺足袋の旦那」なんぞと云う奴もある。※(「さんずい+(日/工)」、第4水準2-78-60)麻は紺足袋を穿いていた。
「あら、※(「さんずい+(日/工)」、第4水準2-78-60)麻さん」
一際鋭い呼声がした。※(「さんずい+(日/工)」、第4水準2-78-60)麻はその店にはいって腰を掛けた。僕は呆れて立って見ていると、※(「さんずい+(日/工)」、第4水準2-78-60)麻が手真似で掛けさせた。円顔の女である。物を言うと、薄い唇の間から、鉄漿を剥がした歯が見える。長い烟管に烟草を吸い附けて、吸口を袖で拭いて、例の鼻から上を動かさずに、※(「さんずい+(日/工)」