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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧逸馬『世界怪奇実話』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「世界怪奇実話」序文、ウンベルト夫人の財産、都会の類人猿、肉屋に化けた人鬼、生きている戦死者、運命のSOS、斧を持った夫人の像、海妖、カラブウ内親王殿下、双面獣、モンルアルの狼、消えた花婿、土から手が、ロウモン街の自殺ホテル。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,305 字 · 498 页
遊ばせても置けないから針を持たせてみると、かなり器用である。簡単なものなら、見本さえ見せれば何でも縫う。段だん重宝になって来た。それに、ちょいと絵ごころがある。木だの人だの、品物だの、暇さえあると色んなものを絵に描いている。筆談というのはあるが、これは絵談である。絵解きだ。この、カラブウの描く絵によって、ウオロウル夫人が追いおい判断したところによると、カラブウは遠い遠い東の国から来て、その生国では高い地位にあったこと、何か反逆運動の混雑に際し誘拐されて船へ乗せられたこと、何個月かの航海ののち、着たまんまの無一文でこの英吉利の海岸へ抛り上げられたこと、など、など、など――いかにもぼんやりした、夢物語みたようなはなしだが、夫人をはじめウオロウル家の人々は、どうやらすこしずつ謎が解けて来る興味が先に立って、信じるも信じないもない。そのままに受取って、そういう高貴の方なら粗相があってはならないと一そう大事にし出した。ところが勿論、懐疑派はどこにでもいる。これを聞いて、一部の人々は、はてな、眉唾ものだぞと首を傾げた。そんな出鱈目な――あたまから一笑に附したものもあった。