轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かかこうしゅ

中国の怪談(二)

田中 貢太郎

田中貢太郎『中国の怪談(二)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:荷花公主、陳宝祠、虎媛、蘇生、義猴記、瞳人語、種梨、嬌娜、陸判、酒友、蓮香、阿宝、胡氏、竹青、黄英、青蛙神、続黄梁、西湖主、劉海石、竇氏、水莽草。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,926 字 · 225 页

青空文庫

瞳人語

長安に、方棟という男があった。非常な才子だといわれていたが、かるはずみで礼儀などは念頭におかなかった。路で歩いている女でも見かけると、きっと軽薄にその後をつけて往くのであった。

清明の節の前一日のことであった。たまたま郊外を歩いていると、一つの小さな車がきた。それは朱の色の戸に繍のある母衣をかけたもので、数人の侍女がおとなしい馬に乗って蹤いていた。その侍女のなかに小さな馬に乗った容色のすぐれた女があったので、方棟は近くへ寄って往って覗いた。

見ると車の帷が開いていて、内に十六七の女郎がすわっていたが、紅く化粧をした顔の麗しいことは、今まで見たことのない美しさであったから、方棟はふらふらとなって我を忘れ、後になり前になりして従いて往った。そしてすこし往ったところで、女郎は侍女を車の側近く呼んで言った。

「わたしに戸をおろしてくださいよ、何処かの狂人でしょ、さっきから窺いてるのよ」

そこで侍女は簾をおろして、怒った顔で方棟の方をふりかえって言った。

「これは、芙蓉城の七郎さまの奥様が、お里がえりをなさるところでございますよ、田舎女を若い衆がのぞくようなことをせられては困ります」