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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页
低温科学の問題
そして驚いたことには、障子の上の壁を一部こわして、欄間までとりつけてあった。
この欄間を見ながら考えて見ると、いわゆる大陸経営について、何か大切な問題が一つ取り残されているのではなかろうかという気がしたのである。
ハルピンの日本宿の経験では、現在の満洲における日本式生活はこのままでは将来どうにもならないと思われた。その生活様式の中で一番の灸所は畳である。満洲くらいの厳寒地で畳の生活をするのは、何といっても無理があるようである。しかしその論拠から、現在の満洲における日本人に、畳の生活を全廃させた方が良いという決論はそう簡単には生れない。
というのは、これほど分り切った無理を押して、なお畳の生活に執着しているというのが、それが現実の姿であるからである。結論をいえば、日本式住宅の主な形式は変えなくても、防寒対策はかなりの程度には出来るのであるから、あまり大声叱呼をしないで、じっくりと当面の改善策を科学的に、住む人の身になって考究するのが差し当りなすべきことである。
低温科学の問題
満洲に働く人々の家庭生活において、住居と同じように、あるいはそれ以上に切実な問題は、冬期の生鮮蔬菜の貯蔵の問題である。