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アラスカのひょうが

中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页

青空文庫

ネバダ大学にて

ところでアメリカの西半分は、年中ほとんど雨が降らない沙漠地帯または半沙漠地帯である。水資源というものはそのほとんど全部が、冬の間に山岳地帯に降る雪である。それで山岳地帯の積雪水量が多い年は、夏になって水に恵まれる。雪の少ない年は水が不足して大いに困る。それでアメリカの西部では、雪というものが、非常に大切な資源なのである。日本では雪といえば、すぐ雪害という言葉を連想するが、アメリカではその反対なのである。

「積雪水量測定の父」チャーチ博士の業蹟は、それでアメリカを初め、水に恵まれない世界各国では、かなり重視されているのである。十五年間にわたる国際雪氷委員会総裁としてのチャーチ博士の仕事は、この積雪水量測定に重点があった。そして昨年の八月、八十一歳の時、老齢の故をもって引退したのである。

ネバダ大学にて

七月十一日。バークレイのマッキンノン氏気付で、リノのネバダ大学から電報がきた。かねて約束の公開講演を十四日の晩にしたいが、都合はどうかときいてきたのである。もともと初めの予定は、十二日リノ着になっていたので、十四日なら文句はいえない。すぐ承知の返電を打っておいた。