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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页
アメリカの旅
昭和二十四年七月六日に羽田を立って、三カ月の予定で、アラスカ、米本国、カナダを廻って、十月五日に、南方空路経由、羽田へ帰り着いた。その間、わずか九十日の間に、十年前ならば、一年以上もかかるくらいの旅行をして来た。
そういうことが出来たのは、ほとんど全部飛行機を使ったからである。飛行機というものが、ほんとうに実用になったことがよく分った。現在では、東京からアメリカまでの距離が、東京札幌間の距離よりも近くなってしまったのである。
初めはリノのネバダ大学に落着いて、そこで旅程を立てて貰って、二、三カ所廻って来るくらいの暢気な気持で出かけた。ところが着いてみたら、私を招いてくれたチャーチ博士が、既に全米の各大学や研究所に打合せをしておいてくれたので、とんでもない大旅行になってしまった。
地図で見られるように、ちょいちょいと次の大学へ寄るといっても、たいていは東京から札幌までくらいの距離である。しかしそれが現在の飛行機だと、二時間半くらいのものである。それで例えば、札幌の大学に夕方四時までいて、ホテルへ帰って夕食をすませ、六時に飛行場へ行くと、八時半にはもう東京に着いている。