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アラスカのひょうが

中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页

青空文庫

と説明してくれた。話はすぐ真面目な話になって、東京の進駐軍に対する日本人の感情の問題、最近の共産党の動き、戦後の神道の状態などについて、いろいろ聞かれた。「神道はほとんどなくなっている。もっとも神道というのは、西洋人のキリスト教のような意味の宗教ではない。日本人の大部分は仏教徒で、その家に同時に神棚があった。その神棚がなくなっただけのことだ」という話をした。「多神教というのとも少しちがうし、僕にもよく分らない」というと、「それは初めて聞いた。面白い話だ」と喜んでいた。神道、神風、特攻隊というものを、一連のつらなりの下に考えてみると、神道のその後というものに関心を持つのが、考えてみれば当然である。

カクテルをすませて、下の食堂へ下りてみると、夜が明けたように明るい。一時間ばかり人工の夜を味わったわけである。

食事を簡単にすませて、自動車で街をぐるぐる廻り、いろいろ説明をしてくれた。初期の移住者の丸太小屋、中期の住宅、戦後急激に膨脹した夥しい住宅街などが、一度に見られるので、非常に面白かった。アラスカの動きがよく分るような気がした。

十時すぎになって、といってももちろん昼間であるが、ワイラー氏という変った人の家へ連れて行かれた。