轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
文つぶて
「伯母か、知合いか、なんだ?」
おさよは弁解も尽きたらしく、もう強情に黙りこくっていると、源十郎は、
「いずれ身体にきいていわせてみせるが、お艶が俺の手に帰るまでは、貴様をここから出すことはならぬ」
いい捨てて、先に懲りたものか、今度は板戸に錠をおろして立ち去って行った。きょうまで娘のいた部屋に、その母を幽閉して――。
文つぶて
どこか雲のうらに月があると見えて、灰色を帯びた銀の光が、降るともなく、夢のようにただよっている夜だった。
もう明け方にまもあるまい。
右手の玉姫神社の方角が東にあたっているのだろう。はや白じらとした暁のいろが森のむこうにわき動いていた。
人通りのない小塚原の往還を、男女ふたりの影がならんでいそぐ――当り矢のお艶と蒲生泰軒。
山谷の堀はかなり前に渡った。けれど泰軒は足をとめるようすもなく、そしてじぶん達のまえには長いながい道路が夜眼に埃を舞わせて遠く細く走って、末はかすむように消えているのだ……千住の里へ。
歩きなれないお艶は、じゃまになる裾まえをおさえながら、ともすれば遅れがちの足を早めて、われとわが身をいたわるような溜息といっしょに、泰軒へ追いついた。