轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
源十郎は長いこと、ひとりぽかんとして縁に立っていた。
今にも同心でも引き返して来て自分に対しても審べがあるだろう。ことによると、奉行所へ出頭方を命ぜられるかも知れないが、それには一応、小普請支配がしら青山備前守様のほうへ話をつけて、手続きをふまねばならぬから、まず今夜は大丈夫。そのあいだに、ゆっくり弁口を練っておけば、ここを言い抜けるぐらいのことはなんでもあるまい――と源十郎、たかをくくって、いまの役人の帰ってくるのを待ってみたが、追っ手は早くも法恩寺橋を渡って、横川の河岸に散っていったらしく、つめたい気をはらむ風が鬢をなでて、つい、いまし方まで剣渦戟潮にゆだねられていた、庭面には、かつぎさられた御用の負傷者の血であろう、赤黒いものが、点々と草の根を染めていた。
とっぷりと暮れた夜のいろ。
源十郎はいつまでも動かなかった。
丹下左膳は、あくまでも自分がかれを売って訴人をしたようにとっているが、役人どもがいかにして左膳の居所を突きとめたかは、源十郎にとっても、左膳と同じく、全くひとつの謎であった。
「きゃつ、おれをうらんでおったようだが、馬鹿なやつだて」