轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

05 水棲人

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,384 字 · 42 页

青空文庫

それから二人は、パゲタ島からにおう花風のなかで、動物富籖の発表を待ちながら酒杯を重ねていった。折竹は、もう泥のように酔ってしまっている。

「ううい、動物富籖を一枚、てめえ大切候に持ってやがって……。おいカムポス、俺はなんだか、可笑しくって仕様がねえ」

「ハッハッハッハッハ、なけなしの俺が一枚看板みたいに、動物富籖をもっているのが、そんなに可笑しいか。だが、俺だって当ると思っちゃいないよ。易いだ。未来を卜すには、これに限るよ」

やがて、十二時が近付くにつれ、しいんとなってくる。おそらく、動物富籖をもたぬものは一人もあるまいと思われるほど、この富籖には驚くべき普遍性がある。やがて、ラジオから当り番号が流れはじめた。そのうち、最高位の五万ミルの当り籖が、カムポスの持っているガラガラ蛇札のなかにあるという、声に続いて番号の発表。五九六二一番。――とたんに、カムポスが、ううと呻いたのである。

「どうした、カムポス、当ったのかい」

「一番ちがい、大将、これをみてくれよ」

みると、カムポスの札はたった一番ちがいで、五九六二〇番だ。たった一番――。むしろ酒よりもじぶんの運命に酔ったよう、黙って、カムポスはじっと卓を見つめている。