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じんぞうにんげんじけん

人造人間事件

海野 十三

「オール読物」文藝春秋、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,654 字 · 30 页

青空文庫

「おやおや、また連盟会議か」

一行は階段をドヤドヤと上って来た。

「どうした、帆村君は。まだ放送局から帰って来ないかネ」

「ええ、放送局ですって。……別に放送局へ行くともなんとも聞きませんでしたが」

「おおそうか。まあいい。そうかそうか」

一行は、なんだか嬉しそうな顔をして、時刻のたつのを待っているという様子だった。

帆村が再び姿を現わしたのは、それからなお三十分ほどして後のことだった。彼は右手に藁半紙を綴じたパンフレットのようなものを大事そうに持っていた。

「やあ皆さん、お待たせしました。やっと一部だけ見つけてきましたよ。文芸部長の書類籠の中にあったやつを貰ってきたんです」

といって、そのパンフレットを目の上にさしあげた。

一同は呆気にとられている形だった。

「――さあいいですか。表状を読みますよ。十一月十一日AK第一放送、午後八時より同三十分まで、ラジオドラマ『空襲葬送曲』原作並に演出、馬詰丈太郎――とネ。これは全国中継です」

といって彼は、パンフレットの頁を一枚めくった。

「いよいよこれから実験にかかりますが、皆さんこっちに寄っていて下さい。それから博士の死体のあった寝台の上には、誰方かオーバーと帽子を置いて下さい」