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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页

青空文庫

それが一部のものに流行しだした。

私はまた不安にされた。どこからそうした創意を持って来るのだろう。何から習うのだろう。

私はどうも自分が山出しで、光りなきもののような気がするのであった。

私はだんだん憂鬱になって行った。勉強が手に付かなくなりだした。

尾道へ!

と私は思った。南の海のほとりの尾道。商業殷賑な、花やかな港街、美しい島々と山の上の寺々。風光明媚な玉の浦の名は祖母から幾度も幾度も聞かされている。その美しい市街は一度見て知っている。それにそこにはあの大好きな種子姉がいるのではないか。尾道一のハイカラな洋品店と西洋人形を飾ったショウヰンドー。鏡と灯の多い明るい感じは今もおぼえている。

尾道へ行こう。尾道へ!

こう思い出すと私は矢も楯もたまらなくなった。

私は夏休暇は少し気のあった脚気を口実にして、とうとう休学届を出してしまった。

宗藤の人たちも、両親も私の内面の動揺のことはもとより知らなかった。学校好きの私がわざと休学するなどとは想像つかなかった。

私は尾道の姉に手紙を書いた。すると大喜びで種子姉は一日も早く来いと言ってよこした。

父母は直ぐに許してくれた。