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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页
あの学校を中心にして、私の年少の夢も、努力も向上もあるのだ。
そう思いつつ、私は三次町に着いて、三年間渡りなれた長い巴橋を渡って、宗藤についたのであった。
宗藤の家庭の空気は、前にも書いたように、※とはまるで違って暗い、自由のないものであった。専制的な、せせこましい叔父一人のために、家の中の幸福が毀れてしまっていた。叔母は賢い信心深い女であり、その養女重子は私の実妹で美しく、怜悧な少女であった。叔父さえその不幸な、一種の変質的な、頑迷な性格を持っていなかったら、家の中は裕福ではないながらも、明るく、楽しく暮らせたのは確かであった。もっとも叔父の養父、叔母のためには舅にあたる老人があったが、これも頑固な人であった。股引を穿いて家付きの小さな畑を耕しに行った。夜はきまって肩衣をかけて仏壇に向かって読経し、それが終ると、寝る前にかんびんに一合ほどせんべいを肴に酒を飲んだ。外には何の趣味も無かった。毎日同じ事を繰り返していた。まったく消極そのもので、見るからに味気ない生活ぶりであった。私は仏間の隣りの八畳にこの「祖父さん」と寝るのであった。叔母はこの舅にもよく仕えた。