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ふゆをこすつぼみ
冬を越す蕾
宮本 百合子
「文芸」1934(昭和9)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,898 字 · 14 页
そのいきさつが知りたいのである。ヨーロッパにくらべると二十年余もおくれてイデオロギー的に大衆化するや直に複雑多岐な暴力にさらされなければならなくなった日本の若いマルクス主義の活動家たちと、転向の問題とは骨肉的な関係で結ばれていると思う。運動が合法的擡頭をした時代に階級的移行をしたインテリゲンチアが、文学上の名声という特殊性もあってまだ十分自分らを階級人としてこね直しきらないうちに、情勢の方はさきまわりして客観的にはそれらの人々がすでに一つ前の時代のタイプとなり、その破綻が転向という形態で、今日現わされてきている。
従って、問題はいわゆる転向したプロレタリア作家たちの良心の上にだけかかっているのではない。われわれみんなの上に、大衆の上に問題となる。何故なら、私たちすべては、何らかの形で今日そのようなものとしての切り口を見せている歴史をうけつがなければならず、しかもそこから健やかな革命的教訓を最大の可能において引き出して来なければならないのであるから。
率直に感想を述べると、私には村山や中野の話の中に、何か腑に落ちず、居心地わるい心持を与えられるものがある。