轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

「サンデー毎日」1925(大正14)年7月5日~10月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 149,286 字 · 301 页

青空文庫

「やれ助かった」と手を延ばし、パチリと黒石を置いたものである。「まずこれで脈はある」

「それはわからぬ」とどなったのは、縁の上の一閑斎で、「刃の稲妻、消えた提灯、ヒーッという女の悲鳴、殺されたに相違ない!」

「いや私は碁の事だ」

「ナニ碁?」と、いかにもあきれたように、「人が殺されたのだ! 人が殺されたのだ! 行って見ましょう。さあさあ早く!」

「いや、それなら大丈夫」平八老人は悠々と、「提灯の消えたのは私にも見えた。が、私にはお前様のいう、刃の稲妻は見えなかった」

「フ、フ、フ、フ、実はそのな。……」

「お前様にも見えなかった筈だ」

「さよう、実は、おまけでござるよ」

「芝居気の抜けぬ爺様だ。刃の稲妻の見えるには、いささか距離が遠過ぎる」

「……が、あの悲鳴は? 消えた提灯は?」

「それがさ、変に間延びしている」

「殺人ではないのかえ?」

「ナーニ誰も殺されはしない」

登場人物はまさしく五人

しかし主人は不安そうに、「確かかな? 大丈夫かな?」

「三十の歳から五十まで、寛政七年から文政元年まで、ざっと数えて二十年間、私はこの道では苦労しています」

「が、そのお偉い『玻璃窓』